773: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/07/14(木) 12:54:45.28 ID:nBkyBIRTo
「何にせよ、さっさと移動した方がいいですね。かなり大暴れしましたし。と、ミサカは提案します」
「そォだな、とっとと上の階行くとするかァ」
「頑張って行クマー!」
一方通行の言葉を聞くと同時に、クマが階段に向かって駆けだした。
「クマッ!?」
すると、階段の手前で何か見えない障壁の様なものによってクマの通行は妨げられ、その光景を目にした一同は数瞬の間思考を停止させ、ポテンと倒れるクマを眺めた。
「あァ?」
最初に声を上げたのは一方通行だった。
しかし、どういう事かと考える間もなく甲高い音と共に、エレベーターの到着音が鳴り響いた。
そこから悠然と歩み寄る、2体の異形。
丸々と肥え醜い様相であるが、マントで身を包み、まるで女王の様な佇まいをしたシャドウ、『エンプレス』。
対して、長身に鎧を身に付けた、王冠を模した顔をして、まるで王の様な姿をしたシャドウ、『エンペラー』。
「新手クマ!すごく強そうクマよ!!」
2体のシャドウによって、ロビーの雰囲気は和やかな物から一変して、重苦しく、底知れない力を感じさせる物と成り変った。
しかし2体のシャドウは一方通行達の様子をうかがっているのか、これと言った動きを見せない。
先手を譲ると言う余裕を持っているのか、はたまたそのような事を考える知能は無いのか、何にせよ目の前のシャドウを倒さねば先に進めないようだった。
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