775: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/07/14(木) 12:55:54.62 ID:nBkyBIRTo
・・・
<ホテル・グラントデトロイト F3通路>
「あらら」
芳川桔梗は目の前の状況を見て苦笑いした。
戦闘を避けて避けて避け続けて1階を目指していたのだが、如何せんこの建物の構造を把握していない。
その為シャドウの接近を許した時、何処に隠れたらよいのか、皆目見当がつかないのだ。
その上、ただ単に階段が1階まで続いて居たら良い物を、この建物の階段は階数おきにいちいち階段の場所が違う。設計者出てこいと叫びたくなるほど嫌な構造をしていた。
それでも何とか気付かれないように、戦闘にならないように、慣れない隠密行動を取っていたのに。
そのツケが早くも回ってきたのか、『強い気配』のする所にまでたどり着いてしまった。まるで誘導されるかのように。
引き返そうにも、後ろにもシャドウの気配を感じる。幸いこちらには気付いていないようだったが。
「さてと、私も覚悟を決めるしかないみたいね」
進めども退けども、確実に戦闘になる。
「私の力、過信するつもりは無いけれど」
信頼くらい、しても良いと思うわ。
芳川は、引き返すことなく前へと進んだ。
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