790: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/18(月) 22:00:51.89 ID:bvHREq1Lo
「あー、間に合わせで作ったからこうなるわよね……」
先述したとおり、弾丸を発射するにあたって、その時に発生した熱によって銃口の中はドロドロに溶けてしまった。
時間をかければ電磁投射砲を作りだす事も出来たかもしれないが、そこまでする時間は無かった。
と言うよりは、最早擬似レールガンなど、不要。
「エレベーターだッ!!」
プリーステスが芳川の立つ通路まで戻ろうと髪の毛を伸ばすが、その頭上からエレベーターが降りてきた。
急な事に対応しきれなかったプリーステスは、何とかエレベーターを受け止めようと試みるが、その質量によって下へ下へと押しやられて行く。
「無駄無駄無駄、と言いたいところだけれど」
そんなラッシュ出来るほど芳川のペルソナは力に長けていない。
その為、とどめはどうするかと言うと。
「『観測』していたのは、あなたと拳銃だけではないのよ」
エレベーターに『作成』をかける。
しかし目的の物の質量が大きすぎる為、完成まで時間がかかりそうだ。
この『作成』の力、材料さえ有れば万能に見えるが、案外そうでもない。
なぜなら作る物の質量・大きさに応じて目的の物の完成に時間がかかるのである。
それゆえこのような世界で巨大な物を作ろうと思うと、芳川単独では造る事は出来ないだろう。一言で言えば隙が大きすぎるのだ。
更に言えば、より大きな質量の物だったり、より精度の高い物だったりと、物の『質』によって『作成』するのに、より大きな『力』を使う。
故にあまり派手な事をすると『暴走』する恐れがある、と言うのは余談である。
エレベーターがプリーステスを下へと追いやり、芳川の目の前に現れる。
それを確認して芳川はエレベーターへと乗り込んだ。
「さて、それでは下へまいりまーす」
エレベーターガールの様に1階のボタンを押すと、壊れた扉が閉じるふりだけをして、エレベーターは下に降りようとした。
しかし、それは叶わなかったが。
「やっぱり抵抗するわよねー」
のんびりと焦った様子も無く、芳川はエレベーターの天井に穴をあけ、その上へと登った。
しばらくするとエレベーターの床に穴が開き、白と黒の長い髪の毛がエレベーターの至る所に張り付く。そしてそれによってプリーステスの体を持ち上げた。
プリーステスは芳川の姿を探す。するとすぐに天井の穴を見つけて、髪の毛を伸ばした。
だが、髪の毛は芳川に及ぶ事は無かった。
「あなたの敗因は……ただ一つよ……プリーステス……たった一つのシンプルな答え……
『私の力の丁度イイ実験台だった』」
憐れプリーステスは『エレベーター』と言う名の『弾丸』に詰め込まれて、1階に向けて放たれた。
芳川は、エレベーターとその通路を利用して、レールガンを『作成』したのだった。
これにより弾丸と化した女教皇『プリーステス』―完全敗北・死亡!
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