826: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/23(土) 21:29:27.80 ID:8F0fn2D4o
・・・
「クマが……シャドウ……自分なんて何処にも……無い……?」
「あっ、やべっ。これ地雷だった?ごめんね、あははっ」
「……どォいう事だ?」
「どういうもこういうも無いよ。だってこの世界は、本来シャドウしかいないんだよ?」
シャドウしかいない世界。そこに住むクマもまた、シャドウだったと言う事か。
「クマはシャドウ……本当の自分なんて……居ない、クマ」
「おいクマ、あンなのの言う事なンざ気に……」
所詮は怪しい奴の戯言。と、一方通行はクマに声をかけようとするが。
「『本当』?『自分』?ククク……実に、愚かだ……」
それは不吉そうな、低く、重たい声によって遮られた。
その声によって、料理に夢中になっていた上条当麻と9982号、布束砥信も、声の聞こえた方向に視線を這わせる。
「「!?」」
「何がどーしたクマ!?……っておわあ!?」
「あははっ、シャドウからシャドウだって!こいつは傑作だ!僕がまだ研究者だったら喜んで研究してたろうね!」
クマの中から、『クマの影』が現れる。
その異常事態を前に、天井の影は、クマにとっての地雷を踏んでしまったことへの後ろめたさよりも、目の前の現象で頭がいっぱいになっていた。
「あ、でも何か僕のせいみたいになっちゃ嫌だし、僕はここでお暇をば……」
そそくさと部屋から出て行く天井の影を、誰も止められなかった。
それ以上に、目の前のクマの影に、視線が釘付けになっていたのだから。
(チッ、あの野郎、次会ったら問答無用でボコしてやる)
一方通行は天井の影をいつかボコすと誓い、クマの影を睨みつける。
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