943: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 17:36:16.85 ID:ZsHX3CDOo
・・・
「俺は、『喫茶シャガール』に、行かなくちゃならねェ。意地でもだ」
「はあ、私はどちらでも構いませんが……」
チラリと目の前に見える喫茶店に目をやるオルソラ=アクィナス。
「私の見間違いでなければ、女性向けそうな外観なのでございますが……」
外観。と言っても見た目は普通の喫茶店だ。
問題は、そこに貼りだされているポスターにあった。
フェロモン珈琲。文字通り飲むと魅力が上がると言われ、女性に大人気のコーヒー。
それ故に女性向けのポスターが所狭しと貼られていて、何だか男子禁制の雰囲気をまとっていた。
「……フェロモン珈琲。『coffeetime』の記事にも乗っていた、有名なコーヒーだ。
その名の通り、飲むと魅力が上がると言われているが……このコーヒーの本領はそこにはねェ」
一方通行は荘厳な気配を漂わせ、語る。
その語りっぷりに思わずオルソラも硬くなり、話に聞き入った。
「特殊な焙煎技法と焙煎度合いによる、フェロモン珈琲独自の味わい深さ……
喉越しの良い苦みによる強めのフレーバー……あの記事を読んだ時に思ったンだ。
「ポロニアンモールに訪れる事があるならば、ぜってェここに来る」ってなァ!!」
「そ、そうなのでございますか?でしたら、その望みを叶えるべくは、今でございますね?」
あまりにアツく語る一方通行に、流石のオルソラも少しばかり引きつった笑みを浮かべて、
話を切り上げるべく店の中に入るように促した。
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