960: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 22:53:08.71 ID:ZsHX3CDOo
・・・
建前としては、『人工島を発展させる為』の研究。
しかし、当時その概要を知らなかった私にとっては、不思議にしか思えなかった。
人工島へ、新たに電源の増設完了の報。
ただ学園があるだけのこの島に、どうしてこんな量の電力が必要なのだろう、と。
・・・
次に思った事は、「この島で、何かが始まろうとしている」と言う確信めいた予感。
桐条グループの傘下である研究機関、「エルゴノミクス研究所」がこの島に新たに研究所を設立する。
と言う報告を聞いた。
先程言った通り、ただ学園があるだけなのに、人間工学研究所がわざわざこんな場所にラボを置くと言うのは、明らかに不自然だ。
その時に、思ったんだ。
この島で、何かが始まる……ってな。
・・・
それで、特に問題も無く新たにラボが出来た訳だが……
予算額がありえない数字で、当時の私は声を上げて驚いたものだったよ。
この時点で嫌な予感しかしなかったのだが、私にもそのラボに参加するように通達が来てね。
最初は断ろうかと思ったのだが……今度はそのラボの人間が直接私に参加するよう頼みに来たんだ。
それも……私の恩師に当たる人が。
・・・
心の弱い愚かな私は、彼の傍に居られると、研究の参加を了承してしまったのだが、
そこで初めて知ったよ。『シャドウ』って存在を……。
嫌な予感が現実になった瞬間さ。当主の顔を見た瞬間確信したね、
これにつき合っていたら命がいくつあっても足らないってな。
当時、桐条の当主は、桐条鴻悦って名前なんだが……話に聞く限りでは、南条の分家として桐条が興って以来、
桐条を本家・南条と並び称される一大ホールディングスにまで発展させた、天才的経営センスの持ち主だったんだ。
だったってことは、当主の顔を見た時にはもう駄目な奴だったって思うだろ?
だが、それも違うんだ。狂ってるようで、でもそのセンスはやはり本物で、
それに惚れてどこまでも付いてきますって奴が沢山いたんだよ。
だから、私一人が騒いだところで、状況が変わるはずも無くてね。
そのまま、なし崩し的に研究に参加する事になったのさ。
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