959: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 22:51:50.24 ID:ZsHX3CDOo
「……そォだな、オルソラ。お前はこの件に関わらせるつもりはねェ。
かといって少しの間でも離れるってのはなァ……」
一方通行は考える。
オルソラにシャドウに関しての話を教えるつもりは無いのだが、
かといって話が聞こえないようにするべくオルソラに外に出て行っていてもらうと言うのも危険だ。
警戒する事に越した事は無いので、風呂だのトイレだの以外の時に一人にするつもりはない。
それが一方通行から同行を申し出た事から発生した義務であり仕事である、と考えて。
「大丈夫でございますよ」
そんな一方通行の懸念事項を読みとったのか、笑顔で返すオルソラ。
大丈夫、と言ってもどちらの意味なのだろうか。
話を聞く覚悟があるのか、はたまた万が一の可能性を否定して外に出るつもりなのか。
「このままお話を続けて頂いても大丈夫、ということでございます」
本気か冗談か分からない微笑みを浮かべるオルソラだが、
その瞳からは純粋な気持ちしか感じ取れなかった。
「……ハァ。分かったよ」
一方通行もまた、先程女店主がしたように両手を挙げた。
そんな2人を見て、女店主は楽しそうに言う。
「ははっ、この私をあそこまで動揺させられる癖に、女の笑顔には弱いんだね」
まだまだガキだ。と、女店主は呵々大笑した。
「なっ!うるせェ馬鹿早く話進めろ馬鹿!」
女店主のからかうような口調に、一方通行は顔をやや赤らめ捲し立てた。
先程のお返しだ、と言わんばかりにニヤリと笑う女店主を見て、
「あァもう、俺の負けだよ。だからさっさと話せってンだ」
投降した。
流石に自分の半分かそこらしか生きていないような少年に良いようにされたのが腹立たしかったのだろうか、
一方通行の投了を見て女店主は満足したようだ。
「分かった分かった。それじゃあ続けるが……恐らく、お嬢ちゃんには分からない単語が出てくると思うが……」
「後で、鈴科さんにお伺いしたらよいのでございましょうか?」
「ん。分かってるならそれで良いよ。さて、それじゃあ何処から語ろうかね……」
少し思案した後、女店主は口を開く。
―――初めは、私もただの研究員の一人だった。
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