972: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/29(金) 01:20:34.87 ID:kQbivQgpo
「おそいですね」
アイギスは、ぼんやりと空を飛ぶ鳥を眺めながら呟く。
一方通行達が眞宵堂に入店してから、結構な時間が経過していた。
3人の位置は眞宵堂から15m程離れている為、話している内容が聞こえるはずもなく。
今までは監視対象が外に居て動向をうかがう事が出来ていた為、
尾行にも飽きがこなかったのだが、今は全く見えない。
とどのつまり、ただ座っているだけと言う状況に飽きたのだ。
「そうですね……」
山岸風香もアイギスの言葉に同意した。
一方通行達の動きについてをネタに会話をしていたのだが、それも品切れ。
自分達は一体何をしているのだろうか。
頬から伝う冷たい何かは、噴水の飛沫だと思いたいところである。
「……よし!」
状況は手詰まり。それを打破すべく岳羽ゆかりは決意の声を上げ、アクションを起こす。
「2人とも!話を聞きに行くわよ!」
「「えっ」」
尾行は止めなのだろうか、と言う疑問が2人の言葉として現れる前に、
岳羽はズンズンと眞宵堂の引き戸まで近づいて行き、堂々と耳をくっつけた。
……怪しい。
黒岩巡査が見たら間違いなく、「……程ほどにしておけよ」とかぶっきらぼうに言い放つ物の、
その目は世話のかかる妹を見る目だった。みたいな感じの描写が描かれるに違いないだろう。
「尾行とは見失う事以上にまず見つからない事が重要ですよ?」
尾行の初歩の初歩です。とドヤ顔で語るアイギスを岳羽は無視して、引き続き戸に耳をつける。
すると岳羽は『シャドウ』と言う不穏な単語が聞こえてきたので真剣な表情になり、聴力に全精力を注いだ。
そんな岳羽を見たアイギスと山岸は結局、2人も一方通行達が眞宵堂の店主とどんな会話をしているのか気になったので、岳羽と同様に聞き耳を立てるのであった。
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