164: ◆qE9xJWndOc[saga]
2011/06/01(水) 22:26:16.13 ID:FPZSYdpM0
さやか「……ごめん、あたし保健室行ってくるわ、頭痛くて、昨日から」
それは本当だった。
自分は何もしてないのに、転校生の前から逃げ出したくなったことも本当。
どちらかといえば、後者のほうが大きいのかも知れない。とりあえず、あたしは転校生の姿を見たくなかった。
今まで気になっていたくせに、こうして顔を合わせてみれば何も言えないのだ。
まどかがいるからなのかも知れない、それともただ単にあたしが恐いだけなのか。
いつもの恐怖とはまた別の恐怖が、あたしを襲っていた。
バカだ、本当に。
これ以上何か言われることが恐い。嫌われることが恐い。自分はもう充分、この子のことが嫌いなはずなのに。あたしがこの子に嫌われることが恐かった。
まどか「大丈夫?着いていこうか?」
さやか「ううん、大丈夫。まどかは早乙女先生に言っといて、一時間目は保健室で寝とくって」
まどか「……うん」
心配そうにまどかが頷いた。
その間、転校生は何も言わなかった。けれど、あたしからわざとらしいほどに視線を外しているのはよくわかった。その態度が気に食わない。
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