80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/06/05(日) 23:51:46.66 ID:/Kp9V7X1o
上条は美琴と合流すると、何やら頭を下げているようだった。
美琴は腰に手を当てしかめっ面をしていたが、上条にぐっと抱き寄せられると顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。
しばらく抱き合っていたが、ゆっくりと身体を離した二人は手を繋いで歩き出す。
海原は距離を空けてその後をついていく。
周りの通行人に怪しまれないよう、当て所なく歩きながら時折店先をひやかしたり、携帯を弄ってみたり。
仕事で尾行をしているようだなと思い至って、今の状況とのギャップに苦笑した。
自分が一体何をしているんだか、よくわからない。
随分と距離が離れているし、上条がこちらを伺うような仕草もないのだから、ここでふといなくなってもわからないのではないか。
ここで別れてしまったら、会う機会だってそうそうない。
あの夏の日から、街中で見かける事はあっても一度だって会って話す事はなかったのだから。
そう思っていても海原の身体は律儀に上条の指令に従っている。
上条の思惑も、行き先も、自分の気持ちさえはっきりしないままに足は一歩、また一歩と進んでいく。
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