過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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72: ◆Y706p.....[saga]
2011/06/04(土) 18:37:08.38 ID:PQcsAUY9o
――鞄、というのは間違いであったかもしれない。
鞄屋にあるぐらいなのだから当然鞄なのだろう、と6は思っていたが、
よくよく見ると、それは藍染めの布を鞄状に結んだ物だと理解できた。
札に書かれている額は、1500G。
トートバッグ状に結ばれたそれを観察する6に対し、言葉が一つ投げかけられた。
「良い物に目を付けましたね」
反射的に、6は背後を見る。
先程迄カウンターに居た中年の男性、店の主がそこにいた。
商品を指さし、6は問う。
「これも道具袋の一種なのか?」
「ええ。こちらは補助として使われる事の方が多いですが、単品でも十分お使い頂けますよ」
「へぇ……」
にこやかに、店主は商品を手に取った。
そのまま床に置いたかと思うと、おもむろに結び目を解く。
袋部分の数倍の大きさはあろう置物が、一辺一メートル弱程の布の上に姿を現した。
「この様に」
「成る程、確かに……」
一般に「道具袋」と呼ばれる代物は、収納物を縮小、軽量化する力がある。
その点、この布は道具袋としての条件を満たしていた。
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