過去ログ - 僕(隣の席の転校生がウザい。ウザい)
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[saga sage]
2011/12/09(金) 04:34:18.43 ID:6Owtuxeuo
驚きと悲しみ、猫の表情にそれが見えたのは、僕の感受性が豊かだからだろうか。
しかし、立場を置き換えて見れば、ピロの気持ちは分かる。
素早く踵を返したピロの瞳から涙がこぼれた。ピロはそのまま二階へ駆け上がる。
慌てて追いかける僕だが、猫の機敏な動きには到底追いつかない。
ピロが自ら足を止めたのは、姉の部屋の窓枠の上だった。
僕「お、おいおい……いくら猫でも、二階から飛び降りたら……な?」
飛び降りるとどうなるのか僕は言えずに、遠回しな言葉で説得する。
言葉が通じている事は無いのだが、まるで人間の様に感情を表したピロにならと、説得を続ける。
僕「預かってるだけだし、別にお前は見捨てられた訳じゃないんだぞ」
見捨てられた、の所でピロの身体が一瞬震えたのを、僕は見逃さなかった。
付き合いは長いが、それは浅かった。
この猫は、僕が思っている以上に賢く、繊細な心の持ち主なのではなかろうか。
世話をしているのは姉さんで、その姉さんの膝の上か腕の中が定位置だったが……もう少しピロと深く関わって見たい。
そんな思いも含めて、僕は手を伸ばす。
僕「戻っておいで、ピロ」
ピロは悲しげな顔で振り返った。
僕の言葉を姉さんの口から聞きたかったと言わんばかりに。
窓の外へ身を投げ出す。
取り押さえようと慌てて動かした身体は、窓枠に突っ掛った。
慌てて目を閉じる。
誰も、飼い猫が死ぬ瞬間なんて、見たくはないだろう。
しばらく経って、僕はゆっくりと瞼を開いた。
ピロは、僕を見上げていた。
安堵の息を漏らす間もなく、小さな体は駆け出した。
姉「ピロ……」
気付くと、姉さんが背後に立っていた。
少しの怒りを込めて、僕は言う。
僕「……出て行っちゃったよ」
姉さんは無言で部屋を出ようとする。
その後を追う様に続ける。
僕「僕も探すよ」
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