461:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/10(月) 19:50:00.63 ID:wCT+gIfAO
はやてが何故戦うのか、と問うた時、OLは興奮しながら答えた。
―――今は……そりゃあ楽しいからよ!!―――
そう叫んだ時の、あの満面の笑み。
狂気すら感じさせる笑顔。
はやてに向けた瞳に宿っていた、ギラギラとした光。
―――こんなマネーゲーム、楽しくない筈がないじゃない!―――
―――今はディールをするのが待ち遠しいくらいよ?ストレスはここでしか発散できないもの―――
彼女の言っていた、楽しいからディールを続けていると言う理由。
あの時こそOLに対して、狂っているし異常だと思った。
―――でも今は、人のこと言えんかもしれん……
自分もあのOLように、ディールにとりつかれ始めているんじゃないか。
そう思うと、気分は鉄の塊ように重くなる。
とにかく自分はそうでは無いと言える、確固たる自信が見つからなかった。
「あの、高町さん」
恐る恐る高町に話し掛けた。
「ん?」
「高町さん、私の二回目のディール見とりましたよね」
他人から見た自分は、一体どう映っているのだろうか。
あの時、あの場にいた高町なら、何か答えをくれるかもしれない。
「二回目……あぁ、前回のディールのことか。うん見てたよ。それがどうかしたのかい?」
「それで、あの時に私が対戦した相手のこと、覚えとりますか?」
やや間が空いて、高町は思い出したように答えた。
「……あのOLのアントレのことかい?」
「えぇ……あの時、あのディールの時に私、あの人に聞いたんです。『どうして戦うんですか』って……」
「そしたら?」
「そしたら、あの人は『単純に楽しいからだ』って言うてました。それに『ここでしかストレス発散はできない』からって……」
「……………」
高町は黙ってはやての話に耳を傾けている。
「高町さんに言われた通り、今日のディール中、私は確かにディールを楽しんどった。傷つけ合って、未来を奪い合う、ディールを。
……私、あのOLさんみたいになっとらんかなって、正直、不安なんです」
ディールを楽しめてしまう心に宿っているのは狂気か、否か。
自分でも予想だにしなかった気持ちに、分析が上手く出来ない。
狂気なんか孕んでない、と自分で思い込んでも実際はどうなのかだなんて分かったものでは無い。
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