475:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/05(土) 14:17:45.85 ID:qdef4F6AO
そんなエイミィを見てジェニファーは「……まぁ、頑張りなさいよ」と言いながら、スーツのポケットをおもむろに探り始めた。
そして何かを取り出すと、それをエイミィの顔に突きつけた。
「……なんですか、それ」
それは、棒付きの包装紙にくるまれた飴だった。
「なにって、飴よ。元気づけるための」
「あぁ、ありがとうございます」
ジェニファーに感謝してエイミィは飴を手に取ると、包装紙を剥がして口にいれた。
―――りんご味……
甘い香りが口の中に広がる。
ジェニファーは隣で同じ飴をもう一つ取り出し、包装紙を剥がすとそれを自らの口に放り込んだ。
からころ、と飴が歯にぶつかって固い音をたてている。
口に広がる甘い味は心を落ち着かせた。
しばし沈黙が流れ、二人は赤い空を眺めながら、無心で飴を口の中で転がし続けた。
と、不意にそんな二人の背後から眩い光が差した。
二人が振り向くと、光は瞬時に人の形に収束し、それはミダスカードを持った竹田崎となって色を成した。
「お集まりでしたか」
現れて早々、竹田崎はにやにやと口角を上げて二人に歩み寄る。
「竹田崎さん!」
「いやぁ八神はやてから接触を受けておりましてね」
「はやてちゃんから?」
「珍しいわね」
会話をしながら、竹田崎はエイミィの隣に腰を下ろした。
「確かに珍しいですよね、私もびっくりしました」
「何の用ではやてちゃんが?」
エイミィがなんとなしに聞くと、竹田崎は何も言わずに笑みだけを浮かべて、ミダスカードをひらひらと見せつけてきた。
聞きたければ金を払え、という意味なのだろう。
「……やっぱりいいです」
およそその内容が、竹田崎の売り物である情報に値するものなのだろうが、物を聞くのに、いちいち金を支払うのも馬鹿馬鹿しい。
飴をもごもごとさせながらエイミィが断ると、竹田崎はミダスカードをしまいながらはやてのディールの話を始めた。
「それにしてもさっきのディール、なかなか見事なものでしたね」
「えぇそうね」とジェニファーが返した。
「あれのほとんどは、高町士郎が計画したものなんでしょ?」
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