495:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/20(水) 15:32:48.86 ID:lEhFh4SAO
はやては石田に車椅子を押されて、別室に案内された。
ベッドがあり、その周りに医療系の機械がいくつも並んでいる部屋。
はやては何をすればいいかと言うと、その機械に囲まれたベッドの上で、ただじっと仰向けに横たわればいいだけ。
それだけのことなのだが、ただじっと動かずにいるということが検査の条件でもあり、迂闊に動けないのはなかなか難しいことだった。
それに検査中は横たわるだけで、はやて自体は本当に何もしないので退屈で仕方がない。
故にはやてにとって、この検査というものは余り好んでやるようなことではなかった。
だが足の病気のためだ。
仕方が無い。
ベッドに担ぎ上げようとする石田に「大丈夫です、自分でできます」と言って、はやては自力でベッドに上がって横たわった。
仰向けのため、目に見えるのは無機質な天井だけ。
これから、この天井を長時間眺め続けなければならない。
気を紛らわせるために、はやては家のことを思い出した。
最近めっきり家にいなくなった家族達。
しかしはやてもはやてで、それをいいことに金融街で高町と会ってはディールの作戦を練っている。
思い出してみると騎士達とは、朝と夜遅くぐらいしか一緒にいないことに気付いた。
―――でも一般の家庭も、そんなもんなんやろな
考えると、はやても普通なら昼間から家にいる筈も無い。
この年なら、小学校に通っていてもおかしくない年齢だからだ。
だが、そんな事こそ今更どうこう考えていても仕方がない。
足の病気で学校に行けないなんてことは、とっくの昔に享受した現実だ。
家のことを思い出して、そう言えば、とはやては思いついた。
―――闇の書も、最近元気ないなぁ
はやてがマスターである、八神家にあった魔導書。
闇の書は、前まで小動物のように家の中をうろちょろしてみたり、はやてにすり寄ったりしていたのに。
放っていれば勝手に浮遊して家の中をうろついていたので、今まで放置していたが、気付けばその元気な姿を見ることも無くなっていた。
今では飛び回ることも少なく、ただの本同様にはやての部屋の本棚に収まっていることが多い。
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