844: ◆5yGS6snSLSFg[saga]
2011/06/16(木) 17:31:40.13 ID:TYvvnptvo
「ハードルたけえ……」
おまら、さらっと“口説く”とか言うけど、それって実は並大抵のことじゃないからね?
つまり何が言いたいかっていうと、凡庸高校生の恋愛力をあんまり過信しないで欲しい。
俺の恋愛力がいかばかりか、今までの安価を見てきてもうわかっただろ?
……乳を揉んでおいて何を今さらという突っ込みは無視するからな。
「とりあえず、沙織にアポを取らんとな」
「よくぞいらっしゃいました京介氏!」
「急ですまん。ちょっと沙織に会いたくなったもんでな」
満足そうな顔でにんまり笑う沙織。
「ふっふーん。てっきり拙者のことは忘れ去ってしまったものかと思いましたぞ」
「ははは。そんなことねえって」
「して、今日は何用で?」
「おう、今日はな――」
鞄をがさがさと漁り、持参したブツを取り出す。
それを沙織の目の前にずいっと掲げ、
「シスカリの対戦について指導してもらいに来たんだ」
「これで拙者の15連勝でござる。まだまだですな京介氏」
「く…………」
まさかこれほどの実力差とは……。
桐乃がオンライン対戦でカモにされるくらいだから、桐乃に勝てない俺がそもそも勝てる道理もないのだが、こうも負けが続くと悔しいのも確かだ。
「沙織」
すっ、とコントローラーを置く。
「どうしました? ギブアップでござるか?」
「いや、そうじゃない」
沙織は、相変わらずのこんな口ωで俺を見つめ、首を傾げている。
俺は沙織の手に自身の手を伸ばす。
「沙織。真面目な話があるんだ」
「?」
「できれば、眼鏡もとって欲しい。……もちろん無理強いはしない。恥ずかしくなかったらでいいんだ」
「……わかりました」
そう言って沙織は眼鏡を外してくれた。
俺は恥ずかしくなかったらでいいと言ったが、あの沙織だ。恥ずかしくないわけがない。
俺のために無理をしてくれているのは明らかだった。
「沙織。俺はおまえの全てを知りたい」
「はい……(私のゲームテクのことでしょうか?)」
「だから……付き合ってくれ!」
「……(京介さん、よっぽどきりりんさんに勝ちたいんですね)」
「だ、駄目か?」
「わかりました。至らないところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします」
「いいの!?」
思わず大声を張り上げる俺。
「え? ええ。……何でそこまで驚かれるんです?」
「い、いや。なんというか……まさかOK貰えるなんて思ってなかったから」
むぅ、とふくれっ面になる沙織。
「心外ですわ。京介さんがわたくしの事をそんな人間だと思っていただなんて」
「いやぁ、ぐるぐる眼鏡のときならいざ知らず、まさかお嬢様モードの沙織相手だったからなあ」
ハードルたけえなんてもんじゃねえぞ。
だが、奇跡は起きた。第一関門を突破した今、後はキスをねだるだけ。
ふははは! これは勝ったな! 誰と勝負してるのかしらねえけど!
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