過去ログ - ほむら「幸せになりたい」
1- 20
185: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:01:18.41 ID:hAzv6ppPo

「あれ、仁美?」

ふと上げた視界に、映る碧の髪の毛。
おかしいな、今日は日本舞踏だか茶の湯だかの稽古だと言って別れたはずなのだが。
胸騒ぎがする。
慌てて雑踏を掻き分けてみれば、そこに居たのは、確かに我らが学級委員長だった。

「ちょっと、仁美、どうしたの?」

「…………」

返事はない。
ただ虚ろな目を虚空に向け、機械的に足を前に運ぶだけ。

「仁美ってば」

様子が明らかにおかしい。
動悸が早くなっているのを自覚する。
この状態、確かどこかで。

「……魔女の口づけだ」

「ちょっと、それって」

「魔女に魅了されている。 このままでは、殺されるよ」

見れば首元におぞましい紋様。
この子はわたしのものだと、声高に主張するがごとく。
辺りをよく見渡せば、周囲の人だかりはみな同じ状態だった。

「……冗談じゃないよ」

慌てて携帯を操作するけど、予定調和のように電話は繋がらない。
あたしは結界に囚われていないから、原因はきっと彼女たちの方に。

こうしている間にも、仁美たちは歩を進めてゆく。
マミさんの忠告は守れそうにもなかった。

「僕も行こう、いざという時のためにね」

「はいはい、ありがと!」

いつか決めるべき時が来ると思っていたけれど。
こんなに早く来なくてもいいじゃない。
慌てて地面を蹴り、彼女たちの後を追いかける。
あたしに何か出来る事はないかと考えながら。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
335Res/235.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice