2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/06/05(日) 22:54:56.39 ID:Svq2uLgno
荒れ果てた世界。
憎しみと苦しみが辺りを覆いつくし、生きる者の気配はどこにもない。
空間に漂うのは、不気味なまでに眩い光。
光源は正面に在った。
男性のような彫像のような、白色物体。
その名は魔獣。
世界の理に反する侵略者。
守ろうとした仲間はみんな消えてしまって。
それでもこの世界はまだここにある。
自分自身の力に限界が訪れていることも理解しているけれど、それは歩を緩める理由にならない。
翼を広げる。
黒く黒く染まった翼を。
ほぼ爆発に近い推進力を一気に生み出し、神々しさすら感じさせる白の世界を侵食せんと突き進む。
数条の光が空間を裂く。
推進力を翼で揚力に変換し、舞い上がることでこれを避けるが、その攻撃は本命ではなかったらしい。
飛び上がった空間に遮蔽物は何もない。
代わりにその空間に存在していたのは、空を埋め尽くすほどの魔獣の群れ。
その全てがエネルギーを集束させる様子を、私は他人事のように眺め。
視界が光の束で埋め尽くされ、意識がぶつりと刈り取られる。
その世界で最後に感じたのは、私を労う一つの声。
「おつかれさま、ほむらちゃん」
335Res/235.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。