243: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:58:44.62 ID:hAzv6ppPo
「……勝てると、思うのか」
その一言に、二人は視線を落とす。
全員それなりの修羅場を潜り抜けているだけあって、認識は早い。
あいつの力は、願いが願いだけに相当なものだった。
しばらくは技術の差があったから負けることもなかったけれど。
訓練の中で、驚くほど貪欲に技術を吸収して、またその力自身も増幅させていった。
その事実は、黒いシャルロッテと戦った時に思い知らされた。
かすむ視界の中見えた、一刀両断の光景だけは覚えている。
それが魔女になって。
おまけに引き寄せていた魔獣を片っ端から吸収したらしく。
はっきり言って、一切の勝ち目はなかった。
「でも、だけど」
「分かってる、諦めてむざむざ殺されるつもりはないよ」
ただ。
あたしは、もういい。
「ほむら、あんたに託す」
時を遡る能力を持っているんだろう。
それなら、きっと。
「こんな結末を、どうか変えてくれ」
「……私も手伝うわ、一人では足りないでしょう」
「悪いな、地獄まで付き合わせて」
「別にあなたとなら、そこまで悪くはないわよ」
ほむらは泣きそうな顔をする。
そして。
「分かった」
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