6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/05(日) 23:04:04.76 ID:Svq2uLgno
胸の中にまどかのソウルジェムをかき抱き、地面に倒れ伏せる。
一発の手榴弾と共に。
拳銃の引き金を引くような力はもう、残っていなかった。
「これからワガママを言うけど、許してね」
「私ね、幸せになりたい。
みんなで揃って、笑ってられる世界が欲しいよ」
きっとその思いは、まどかだって同じなのに。
他を救おうとして、自分の幸福を諦めてしまう。
そんな彼女をまっすぐに見つめ、振り絞るように言葉を吐き出す。
「お願いだから、あなた自身を犠牲にしないで。
まどかなしで幸せになれる私なんて、この宇宙のどこにも存在しないから」
まどかは微笑んでいる。
その目に涙をいっぱいに貯めながら。
「あなたのいない世界で生き続けることは、私には耐えられない」
私は泣いている。
再会と幸せな未来を心から願い、必死に笑顔を繕いながら。
「どうか私と同じ時を生きて」
そして、胸に強烈な熱を感じる。
捻じ曲がる世界の中、まどかの返した声を、私の耳はきっと捉えていた。
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