9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/05(日) 23:07:45.05 ID:Svq2uLgno
「これは一体どういうことなんだい、暁美ほむら」
「話す義理はないわ」
世界は巻き戻った。
時をこえて偏在するまどかのソウルジェムを破壊したことで、彼女の干渉はなかったことになり。
死者を囲い込む夜へ、全ての存在は回帰した。
回答を拒否されたことに何の感慨も覚えていないのか、キュゥべえは私に再度問いかける。
「契約と同時にソウルジェムが砕け散るなんて、聞いたことがないよ」
「わたしが壊した。 ただそれだけ」
彼女の亡骸は私に覆い被さる。
瓦礫に足を挟まれ身動きの取れない私を、ワルプルギスの夜から守るかのように。
いつになっても、私はこの子に守られる。
彼女を守る私は一体どこに。
まだ暖かいその体は、まるで眠っているだけのようだけれども。
抱きしめた所で反応はない。
あるわけも、ない。
残された力でなすべきことは、ただ一つ。
無限の回廊へとまたこの身を投げ打つ。
「君はまた時を遡るのかい」
「当然でしょう」
「結果より大きなエネルギーを得られるのだから、僕達としてはありがたいところだ」
「まどかをエネルギーになんて、絶対にさせない」
私の最高の友達を。
この宇宙の犠牲になどしてたまるものか。
「絶対に諦めない」
天に左腕をかざす。
強く強く拳を握りこみ、腕をひねって盾の砂を逆流させる。
再び世界は歪み、意識は白色に塗り潰されていった。
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