過去ログ - QB「魔法少女の軍事利用だって?」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:39:40.57 ID:12Scx6eE0
あの時、どうして私は助かったのだろう。気が付いた時には、
彼女達は家があった場所で、手を繋ぎ横たわっていた。
つい先ほどまで、重くのしかかっていた瓦礫は綺麗になくなっていた。
だが、血の池の泉となっているもう一つの瓦礫を見て、
両親が助からなかった事も理解した。
もはや我が家は、家と呼べるものではなくなっていた。
ひたすら、瓦礫。その中に、黒く輝く宝石が落ちている。
そうだ、あの生き物に願いを伝え、それから・・・
その先が思い出せなかった。これから先、私達はどうなるのだろう。
宝石をポケットにしまう。まだ目覚めはしていないが、呼吸をしている
事から生きている事は確認出来る妹を見て、私は途方にくれていた。
妹は私のあげたゲーム機をしっかりと両胸に抱いたまま
何も知らないかのように、すやすやと眠っていた。
そのまま空は明るくなり、夜の終わりを知らせる。
空に轟音を轟かせる、悪魔の飛行機。
私はそれを憎しみを込めて、見えなくなるまで
目で追いかけ続ける。
妹は、その音に驚き目を覚ましていた。
私達の住んでいる街にはそれ以上の
空爆が行われる事もなく、地上戦の戦場にも
なる事はなかった。それだけは幸いであった。
代わりに私達を待っていたものは、飢えだった。
近所の大人たちも、哀れな姉妹にいくらかの施しを与えて
くれていたものの、大人達も自分が食べるだけの蓄えしか
ほとんど持っておらず、他者を施す余裕などなかったようだ。
施しを求めて、妹とさまよい歩く。
この頃は、そんな日々が続いていた。
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