過去ログ - QB「魔法少女の軍事利用だって?」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 01:27:02.18 ID:12Scx6eE0
その日は、妹のラビアが四歳になる誕生日だった。
異国の土地では誕生日を祝うことが習慣であるらしい、とは知っていたが、
私の住む土地にはそれがない。しかしながら、私は妹が一つ大きくなった事を、
お祝いしてあげたかった。
彼女は、いつも私の宝物で遊ぶ事が好きだった。
Nintendoのロゴの入った白いコンピュータゲーム。
コンピュータ関係の仕事をしている父が、
どこからか貰ってきて私にくれたものだった。
父から貰った宝物ではあるが、私はゲームが上手でなく、
遊んでみても楽しむ事が出来なかった。
ならば、楽しそうに遊んでいる彼女にあげたほうが、きっと喜ぶに違いない。
家族揃っての夕食が終わると、私は宝物を持って妹の部屋へ入る。
「ナイマ、どうしたの?遊んでくれるの?」
「ラビア、今日はあなたの誕生日よ。一つ大きくなったわね。おめでとう。」
「どうしたの、変なナイマ。」
一つ年下の妹は不思議そうな顔で私を見る。誕生日、それがどうしたの?
そう顔にはっきりと書いてあるのが見える。その無表情な妹を、これから
あっと驚かせてやれる、そう思うと私は少しウキウキした。
「だからね。あなたにこれをあげる。」
「ナイマ!もらっていいの!」
一秒前が嘘のように、ラビアの顔がぱあっと明るくなる。
「ええ。私はゲームが下手だし、ラビアはこれが大好きでしょう?」
「ありがとう、ナイマ!」
ある程度は予想していたが、ここまで喜んで貰えるとは。
彼女が笑うと、私も嬉しい。彼女は私の妹であり、
友達でもあるのだから。彼女の笑顔を見ていると、
プレゼントをした甲斐があったと素直に思えた。
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