71:マクロスS[saga]
2011/07/11(月) 21:47:36.21 ID:W5HBytWl0
―――
澪「私は何をしているんだろう……」
澪は、重い足を引きずるように、一人、軍病院からの帰途にいた。
澪「みんなを守りたくて、軍に入ったはずなのに、仲間一人守れないなんて……」
澪は、右手で服の胸元を強く握りしめ呟いた。
和「あれ?澪じゃない?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには和と優がいた。
澪「あぁ、和に優ちゃん。
二人そろって、こんなところでどうしたんだ?」
和「二人ともこれから非番なの」
優「それで、久しぶりに二人で食事でもしようって思って」
澪「そうか、相変わらず中がいいな」
澪は、楽しそうな二人の笑顔に、暖かいものを感じ、小さく微笑んだ。
優「ところで澪さんは、こんなところでどうしたんですか?
そろそろフォッカー勲章の授賞式の時間じゃ?」
澪「あぁ……」
和「行きたくないって顔ね」
優「どうして」
澪「私に受け取る刺客なんてないよ……」
優「澪さん……」
瞳を伏せる澪に、優が心配そうな眼差しを向ける。
和「気持ちは分かるけど、これも仕事の内よ」
澪「……あぁ分かってる。
市民の目を惨敗から逸らすために、英雄が必要なんだよな……それが虚像だったとしても……」
優「澪さん、そんな……」
自分を卑下するような澪の発言に、異論を唱えようとした優だったが、言葉が続かず、口ごもってしまった。
澪の武勲は、確かにフォッカー勲章に十分見合うものではあったが、軍上層部の思惑には、澪の言った理由が多分に含まれていることを、優も理解していたため、とっさに言葉が見つからなかったのだった。
213Res/173.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。