21:1 ◆.yNNQJjyLiF7[sage]
2011/06/09(木) 09:55:36.31 ID:qsaXy1geo
建物の中はしんと静まりかえっている。
さっきまで声が聞こえていたと思ったけど、それも止んでしまった。
アレ、と首をひねっていると、さやかちゃんが消化器を手に取っていた。
まどか「……ど、どうしたのそれ」
さやか「武器」
まどか「え、鈍器……?」
さやか「中身をかけるんだよ、さすがにこんなの振り回せないし」
さやかちゃん消化器を扱えるんだ。
わたしは一度も機会が無くて、もし火事になっても使えるかどうか分からないよ。
さやか「どこから聞こえるの?」
まどか「あっち」
正しくは聞こえていたになってしまったけど。
手遅れになる前に駆けつけたい、携帯のバッテリーの量も問題は無さそうだ。
これですぐに連絡が取れる。
さやか「あれ? 足音が聞こえない?」
まどか「本当だ……」
さやか「管理の人とかかな? 見つかったらまずくない?」
まどか「うん、でも、どうしよう!」
さやか「人がいるならだいじょうぶ、今すぐ逃げよう!」
奥へ続く道から引き返す。
何となく後ろ髪を引かれる思いがしたけど、さやかちゃんにまで迷惑をかけるわけにはいかない。
そしてドアを抜けようとしたその時に、わたしは――
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