42: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/12(日) 18:14:54.23 ID:sTktK5qlo
アレイスターがいる場所から距離が離れているせいか、その音は最初の方は
嫌に響いた。だがやがて、反響の規模も小さくなっていく。足音がここまで近付いてくる。
規則的な足音ではなかった。言うなれば、まるで酔っ払いが千鳥足でふらついているような、
不安定なリズムで刻まれる足音。
そしてその足音を踏み鳴らす者はアレイスターのすぐ傍まで歩み寄って止まる。
アレイスターはその人物の顔を見ない。見ずに、ただ冷笑とも微笑ともとれる笑みを浮かべて言う。
「やあ、恋敵」
恋敵、と呼ばれた人物は薄暗い地下空間にぼんやりと浮かび上がる亡霊のように白かった。
アレイスターの最高傑作。学園都市最強。超能力者(レベル5)。第一位。
一方通行。
アレイスターと遜色ないほどに、彼も瀕死寸前の重傷を負っていた。
しかしそれ以上に一方通行から漂ってくるのは、虚脱感。
彼の左手には、ひどく傷んだノートとスケッチブックが携えられている。
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