過去ログ - もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら
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◆NqJArk5IVdBU
[saga sage]
2011/07/18(月) 19:45:31.85 ID:r/KjmkIDo
ほむらは街へ魔女狩りへ、まどかは留守番をして未来視を。
将来、犠牲を多く生む魔女を探し当て、矢を放ち、生まれる前に消し。
ほむらが集めたグリーフシードで穢れを浄化する。それが習慣になった。
だが、未来視の多用と、『選ぶ』事の重圧によって、まどかの精神は次第に押し潰されていった。
未来視により、素質の強い魔法少女が凶悪な魔女に生まれ変わるまでの一部始終が、
高速のコマ送りのような形でまどかの目に焼き付けられる。
希望と絶望の相転移。例外無く生まれる悲しみのエピソードを来る日も来る日も『鑑賞』し、
その被害とグリーフシードの恩恵を秤にかけて、消去する魔女を選ぶ。
その行為に直接的な見返りがあるわけではない。
強いて言えば、彼女の周辺の魔女だけを間引きしていけば、
効率の良い魔力の運用とグリーフシードの回収に繋がるのだが、
彼女は力の行使する範囲を見滝原に留める事はしなかった。
つまり、全ての魔女を消す願いを保留にした彼女は、その罪滅ぼしとばかりに、
敢えてそのような苦行を自らに科したのだ。
力を持つ者が、それを行使しないのは罪か――という命題はさておき、
彼女は漠然とした罪悪感を払拭する事が出来ず、苦悶する日々が続いていた。
日ごと魔力を消耗しては、ほむらの持ち帰ったグリーフシードに穢れを吸わせ、
それから沈んだ気持ちを託すように無言でほむらに抱きついて、少しの時間を過ごす。
そんな日課が出来上がっていた。
最初の頃、まどかは消し去った魔女と魔法少女の不幸について勢い良くまくし立て、
挙句、大泣きしたりしていたのだが、この頃は慣れのせいか、
それとも本格的に気分が落ち込んでしまったからなのか、
消去した対象について話す事はめっきり少なくなり、
代わりにボディランゲージで癒しを要求するようになっていった。
一方で、ほむらはというと、最初はまどかの一挙一動を気遣って、
泣かれれば一晩中でもなだめてやったし、抱きつかれれば彼女の心情に延々と思い巡らし、
赤子をあやす母のような慈愛を発揮してきたのだが、最近はそれも変化の時期を迎えている。
――良く考えてみれば、まるでぬいぐるみか抱き枕か。
という扱われようにまず疑問を持ち、それからまどかの心情は一度棚に置き
一歩引いた目線でこの日課を見つめ直すようになると、
順序が逆立ちして、日々、次第に強く、恥じらいが込み上げてくるようになった。
ほむら(まどかに他意は無いのでしょうけど、こうも毎日毎日ハグするのって、
女子として問題を感じずにいられないわ。はたから見れば恋人同士でする事じゃない)
溜息をつきながら今日も日課のハグをこなす。
視界の端でエイミーが気だるそうにしている。
今ではすっかり飼い馴らされて、家猫になったのだ。
時折、悶々とした気持ちが沸くものの、無闇に動悸を乱さぬよう細心の注意を払う。
そうしていると、ふと『生殺し』という単語が思い浮かんだ。
ほむら(私は、性倒錯者になった覚えは無いわよ)
誰にともなく単語の不適切さを心の中で正す。すると、ますます惨めな気分になってきた。
その時、不意にまどかが腕の中で身じろぎをした。
背中に回した手を一層強く締め付けて、胸の中に顔を埋めてくる。
ほむらは激しく動揺してしまう。
まどかの振る舞いはこれといって日課の範疇から外れたものではないのだが、
この時ばかりは下衆な思考が掠めていたため、平静を保ちきれない。
ドキン。ひとつ大きな心音が漏れて、続けて、堰を切ったように細かく速い心音が刻まれる。
確実にまどかにも聞こえる異変の音。日課から逸脱したそれを意識して、ますます心臓が慌てだす。
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