過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
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964:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 21:38:57.63 ID:icNSOzP60
バロム『ようやく来たか』
悪魔神は龍の頭蓋を片手で弄び、降臨した上空そのままで待ち構えていた。
遠くから雨雲のように深く濃い、連なる羽虫の大軍が押し寄せている。
大小さまざまとはいえ、それら全てがジャイアントインセクト。
デーモン・コマンドに匹敵するか、それ以上のサイズの甲虫達が続々と向かっている。
しかしバロムにとって、甲虫の群れなど退屈なものでしかなかった。
バロム『量だけ、力だけ。空しいものだな、生者というやつは』
悪魔神にとって、それがどれほど巨大であろうとも、虫は虫でしかない。
鋼を砕く強い顎も、鋭い鎌も、バロムに届くことはありえないのだ。
弱い敵の群れを見て、手慰みの龍の頭蓋を、また弄る。
張り合いのない。
降臨したこの世に、自分の素の力を試す相手がいないことに、バロムは失望していた。
ついさっきまで飛んでいたアーマード・ドラゴンですら、少々手をかざしてみればこの様だ。
浮世とは下らない。
天を支配するドラゴンも、地を支配するフィオナも、自分の相手にはならないか。
無垢「――見えてきた、悪魔神だ」
バロム『……――!』
龍の頭蓋が、握り砕かれた。
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