過去ログ - 無垢「フィオナの森は、俺が守る」
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965:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/27(月) 18:41:43.25 ID:o09bzOm50
魔将「……ユリア、私の契約が切れたようです」
ユリア「! まさかそんな、あのザガーンが」
魔将「敵に斃されたということでしょう、出陣してからそう間もないうちに……」
ユリア「すぐここまで、獣らの群れが迫っているということね」
魔将「そうなります」
閑散とした闇の本拠地には、デーモン・コマンドの姿は一体も見られない。
呼び出したものの主導権を奪われたダークロードたちは、皆一様に立ち尽くすのみだった。
魔将「……悪魔神が負けることはありえません、ですが、我々は撤退する必要があります」
ユリア「そんなこと、わかっているわ、フリード。わかってはいるけど」
紫の唇を噛みしめ、羽衣を腰へと巻き直す。
乱暴な布の扱いに使い魔のガーゴイルは巻き込まれ、甲高い悲鳴をあげた。
ユリア「撤退、蚊帳の外……なんたる屈辱」
魔将「……ユリア、今は堪えるのです」
ユリア「ええ、堪えるわ。堪えて、忍び、耐えてみせますとも」
ユリア「必ずこの地を焦土に変えるために、今この時は、まだ……」
二人のダークロードは、淵へ向かって歩き出した。
そのあとを追うように、下級のダークロードたちも陣地から退いてゆく。
闇の本拠地があったそこは事実として、悪魔神の城となったのである。
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