過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.11
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(チベット自治区)
[sage]
2011/06/17(金) 13:37:32.25 ID:uhr7UXYvo
「だから、沙織のことが大切すぎて逆に――……っ!?」
言葉を紡ぎきる前に俺の口は沙織の唇で塞がれていた。目には大粒の涙がぽろぽろと流れていて、俺は快楽と困惑がないまぜになって宙に浮いた感覚だった。
唾液が橋になるほど濃厚なキスを終え、嗚咽混じりに沙織は俺の胸に飛び込んできた。
「京介さんのばかっ……ばかばかばかっ……!!わたしは……わたしはっ……!!」
「……悪かった」
沙織の背に手を回し、俺は沙織をぎゅっと抱き締めた。
愛なんてものは片一方の都合だけで軽々と決め付けられるものじゃない。そんなことは分かっていたはずだったが、何のことはなかった。
俺も沙織もまだ始まったばかりなんだから、2人で乗り越えていけばいい。それだけのことだったのだ。
俺は沙織を抱きかかえてベッドまで運ぶと、ふと思い出したように壁に拳を向けて質問した。
「そういえば、アイツは大丈夫なのか?」
「ええ。多分眠ってます。しばらくは目を覚まさないと思います」
「そっか」
それ以上は野暮の極みだったので、俺は沙織と今一度軽いキスを交わすと、静かに沙織のシャツに手をかけた。
翌朝。久しぶりにやりすぎたせいか腰が物凄く痛い。
俺は全裸でシーツにくるまった沙織の寝顔を見て、心から目を奪われていた。こんな無邪気な寝顔を見せてくれるのが俺にだけというのはとてつもない優越感だ。
すると、沙織もぱちぱちと瞼を上下させて目覚め始めたようだった。
「おはよ、沙織」
「うぅ……おはようございます」
「お前相変わらずとんでもない体力だよ……何個ゴムがなくなったっけか」
「そりゃお互い様じゃないですかぁ」
「俺のは単なるやせ我慢だけど、お前は眠いだけでもう元気だろうが」
こいつはやった後の眠りこそ深いが、その後の活動にほとんど支障がないというとんでもない回復能力を持っているのだ。
プロのサッカー選手ならハーフタイムできっちりと後半戦分の体力を取り戻すというが、そんな体質というかコツがあるのだろうか。
「沙織」
「はい?」
「今までその……すまなかった。改めてごめんな」
「分かり合えた今なら何も言いませんよ。ただ、もう隠し事はやめてくださいよ?」
「ああ」
俺たちは互いに笑い合いながら、もう一度キスをした。
(終わり)
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