過去ログ - 上条「学園都市? なんで俺がそんなところに?」
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12:第一章『交差する若者達』1-2/2[sage saga]
2011/06/16(木) 18:45:10.85 ID:3M0E3iz30
 とある地下街にある、とある携帯電話のサービス店。
 普段なら十時くらいに開く店なのだが、新規登録ラッシュのこの時期は、朝八時くらいから開いている。
 その新規登録も、さすがに入学式当日の朝にはほとんどない。
 どこか気の抜けたような店内の一角に、不穏な呟きが響く。
 
「科学は嫌い……科学は憎い……ていうかいやだなにあれ死ぬかと思ったていうか絶対一度死んだどっかで一回死んだ」

 どんよりと暗いオーラをまとった少年の名前は上条当麻。
 ほんの数時間前までロンドンの片隅にいた彼が、今に至るまでには語りつくせぬ紆余曲折があった。
 とりあえず、常人ならしばらくは科学恐怖症になっても仕方ないあれこれがありました。

「早く機嫌直せよ、カミやん。さっさと携帯決めないと、始業式に遅刻なんて非常識なことになるぜい?」
「いや、別に新しいのいらないだろ。携帯電話くらい持ってるっつの」
 そう言って、上条は鞄から携帯電話を取り出す。

 もう三年くらい使っている、自慢の相棒だ。

「カミやーん、ちょっとそれ貸してくれ」
 イギリス産の武骨な、バカでかい割に機能は電話とメールくらいの、現代日本レベルで考えても遅れている携帯電話を、上条は差し出す。

 繰り返すが、それでもこの携帯電話は上条の自慢の相棒である。
 巨大魔術結社に襲われて煙に巻かれても、海に転落しても故障しなかった、苦楽を共にした大切な仲間だ。

「大事に扱えよ、そいつは唯一無二の――」
「てい♪」
 気軽な様子で携帯電話を真っ二つに折られて、上条の体がくずおれた。
「俺のケイタイーー!!」
 急に絶叫した上条に、店員達は怪しいものでも見るように視線を向ける。
 笑顔第一のサービス店の店員が、凍りついた笑顔で固まってしまっている。
 だが、土御門は気にしない。

「コンセントの形が違うんだから、どうせ充電できなくなって終わりだぜい。
 それに今日からカミやんは学園都市の人間なんだから、イギリス時代のしがらみは忘れることだ」




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