301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/08/14(日) 21:42:11.27 ID:Kids5Lg0o
「紅音也って言うんだ」
渡が答えた。
「やっぱり、この人が紅音也さんだったんですね」
「父さんのこと知ってるの!?」
驚く渡。
無理もない、紅音也は26年前に闇のキバの副作用により死んでいる。
14歳前後の少年が自分の父親の名前を知っているのだ。
当然の反応だろう。
「いや、前にネットでその名前と写真を見たことがあるんです」
その時のことを思い出す。
「ちょっとしたニュースの記事で、僕のことが載ってあったんです」
当時の記事を思い出す。
確か記事には『天才バイオリニスト、上条恭介!』と書かれていたはずだ。
「僕は基本的に自分のことが書いてある記事には目を通さないんですけど、その時は違いました」
周りには凄いと言われるが、彼自身はあまり好ましく思っていない。
「父さんが僕に無理やり見るように言ったんです」
いままで、そんなことはなかった恭介にとっては不思議なことだった。
「そこで、貴方のお父さん…紅音也さんの事を知ったんです」
「その記者は、こう書いてありました。
『確かに、上条恭介君の腕は素晴らしい。だが私はもっと素晴らしい音を奏でる人物を知っている。
紅音也という男だ』と」
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