340:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/08/21(日) 21:39:50.64 ID:4ELXsci5o
「娘のあたしを『人の心を惑わす魔女だ』って言ったよ」
「ひどい…」
まどかはそんなことは考えられなかった。
自分の娘に対して、そんな酷い言葉を浴びせるなんてありえないと思った。
「ひどくないよ、当たり前の事だ。自業自得さ」
自虐する杏子。
「笑っちゃうよね。あたしは毎晩、本物の魔女と戦い続けてたっていうのに」
「それで親父は壊れちまった。最後は呆気なかったよ。
酒に溺れて、頭がイカレて、とうとう家族を道連れに無理心中さ」
「あたし一人を置き去りにしてね…」
もう一度杏子の表情が暗くなる。
「あたしの祈りが、家族を壊しちまったんだ…」
今更後悔しても遅い。
頭では分かっているのだが、未だにその事を振りきれない。
「他人の事を知りもせず、勝手な願い事をしたせいで、結局誰もが不幸になった」
「その時決めたんだ。もう他人のために魔法を使ったりしない。この力は総て自分のためだけに使い切るって…」
その時は心に誓った。
だが杏子の意思を変える存在が現われた。
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