過去ログ - とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)
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111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/26(日) 13:27:21.33 ID:iNmol0qk0
「しっかし……なんで楽器なんですかね?」

「それはわからんが、それがこいつらの最大の特徴だ。それを手がかりに探すしかないだろう……ん?」

そのとき、男の視線の先にギターを背負ったツインテールの少女が走っていくのが見えた。

「ギター……か」

「え? ……ああ、あのガキっすか。ギター持ってるやつなんていくらでもいますって、しかも制服来てるじゃないですか」

「そりゃそうだが……いや待て。なぜこんな路地裏にギターしょったガキがいる?
この辺は俺らみたいなやつらしか知らない抜け道だ。しかも向こうは第八学区。教師どもが住む学区だ。
制服着たガキが行くようなところじゃねえ」

「さあ、援交とかじゃないっすか?」

「わざわざギター持っていくか? どんなプレイだよ……
しかも今はちょうど学校が終わった時間だろう。ギター持ってんだったら部活に出てるはずだ。
教員どもとバンド組んでるとも思えねえしな。わざわざあっちに行く理由がわからん」

「そうすると……あのガキが例のギター女だと?」

「可能性はある。つけるぞ。やつの素性も調べておけ」

男たちは梓の追跡を開始する。
部下の男は携帯電話で遠方から梓の写真を何枚も撮り、それを組織の情報端末へと送信する。
その写真は、彼らが不正に入手した能力者データバンクと照合され、外見や制服の特徴が一致する学生がすぐに割り出される。

「――出ました。桜ヶ丘女子高一年、中野梓、能力はレベル4の『空中回路』」

「ほう、レベル4か……よし、要注意人物リストに追加しておけ」


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