過去ログ - とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)
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220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/26(日) 16:09:38.29 ID:iNmol0qk0
一同は立ち上がってあたりをよく見回すと、爆発の痕跡が随所に見られ、唯と憂の激しい戦闘があったことが見受けられた。

「憂と唯はどこに行ったのかしら……向こうに行ってみましょう」

三人が歩き出そうとした瞬間、何かが収縮したような感覚が三人を襲う。

「!?」

この感覚を、和は知っている。

「まずいわ……憂の能力が暴走してる!!」

「「ええっ!?」」

『自分だけの現実』が、吸い寄せられるような感覚。間違いなく、憂の『能力吸収』が暴走している。

「そんなっ、憂っ!!」

和が動くより先に、純が駆け出した。それを見て和は、すべてを純に託す決心をする。

「純っ! 憂を救ってあげてっ!!」

和は温度差を利用し純に追い風を起こす。純もまた、自らの体を構成する炭素原子を前方へと引っ張り、加速する。
結合を切らないように炭素を動かすのは慣れておらず、分子レベルのダメージを受け、体のあちこちが悲鳴をあげる。

「つっ……! 憂ーーーーっ!!!」

純が憂の100メートル以内に突入すると、強烈な違和感が襲う。

(うっ……! これが、和さんの言ってた感覚!? やばい、意識飛びそう……)

その感覚は、近づくにつれて大きくなる。次第に、憂の姿が見えてきた。

「――ああああああああああああああああ!!!!!! おねえちゃああああああああああん!!!!!!」

憂の悲痛な叫び声が聞こえてくる。憂は唯の亡骸を抱え、絶叫していた。
姉の死を目の当たりにし、暴走した『能力吸収』はブラックホールと化し、あたりの『自分だけの現実』を吸い込んでいく。

(ちっくしょーーー!! 間に合えーーーーーーーっ!!!)

感覚的にはもう憂のすぐそばまで来ているのに、体は遥か後方を走っている。そして、純の意識は憂の中へと入っていく。
そのとき、すぐ近くに誰かがいるような感覚を覚えた。

(だめ……かも。ごめん、憂……まに、あわない――)


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