過去ログ - 唯「アイスレンダー」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:18:16.28 ID:wq3gp6Kw0
それでも、この道をまっすぐいえば、会えると思った。
いつも待っててくれたから。私のこと。
「ほら、唯」って言ってわらってわらってわらって、
私に手をさしのべてくれたから誰よりも、
和ちゃん、私はね、和ちゃんがすきなんだよ、ごめんね?
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:19:00.51 ID:wq3gp6Kw0

だけど、そのエゴがなきゃ、今、私は走れない。
たとえば、もう走るのもやめて、CDを和ちゃんに渡すことも諦めて
今すぐに来た道を戻ることだってできる。
そっちのほうが、運動不足の足と肺にとってはとっても魅力的だった。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:19:59.34 ID:wq3gp6Kw0

いつの間にか、泣いていた。
泣きながら走る私は、端から見たらさぞかしこっけいだったろうな。
はなみずも出てたし。
和ちゃんが、行ってしまう。1人でいなくなってしまう。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:21:43.76 ID:wq3gp6Kw0

駅についたのは40分くらい。
足はもうガクガクに震えていた。
財布から小銭を取り出す。ばらまく。
私はここぞという時に、お約束を守るとっても良い子だ。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:22:31.97 ID:wq3gp6Kw0
階段を駆け上って、ホームに出た。
肩で息をしながら、和ちゃんの姿を探す。


いない。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:23:22.48 ID:wq3gp6Kw0
和ちゃんは、いた。
下りではなく、上りのホームに、驚いた顔をした和ちゃんが、いた。
私たちは向かいあうように、お互いの姿をその瞳に映しあった。

ホーム、間違えた。階段、駆け上がらなくてよかった。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:24:36.13 ID:wq3gp6Kw0
必死に叫んだ「和ちゃん」という言葉は
「白線の内側までお下がりください」という音にかき消された。

和ちゃんも私にむかって何か叫んだ。
それも、「白線の内側までお下がりください」という音にかき消された。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:26:02.07 ID:wq3gp6Kw0
そのとき

「唯っ!!!」

という、和ちゃんの声が聞こえた。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:26:52.89 ID:wq3gp6Kw0
その後は、とっても恥ずかしかった。
ホームでひとしきり泣いて涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で、
駅員さんにお金を渡されながら、怒られた。

「でへへ」と、自分の失態に笑うしかなかった。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:27:26.93 ID:wq3gp6Kw0

お互いに嫌いになって、はなればなれになったわけじゃない2人には、
こんな別れ方がよかったのかもしれない、と
今は、少し思う。
思えるくらいには、なった。
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/01(金) 23:28:54.83 ID:wq3gp6Kw0


大学生になって、和ちゃんと、はじめてはなればなれの夏をすごす。

それでも私は、ふとした時に、いつだって
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