過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
1- 20
842: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 04:05:47.73 ID:FWHujRcko

(……違う!)

 廃機材をひっくり返したことによって新たにできた物陰へと姿を隠しながら思考を瞬時に切り替え、番外個体は今起きたことを整理する。

まず、『同伴移動』の姿が周囲に"溶け込むように"かき消えた。
その直後、番外個体の電磁波レーダーの反応も消滅した。

この間にあったラグは1秒程度。
だが、どんなに短かろうと『姿の消滅』と『反応の消滅』の間のラグの存在は、『第三者の介入があったこと』をこれ以上なく明確に証明してくれる。
単一の空間移動能力者ならば、その2つは同時に起こるはずだ。

空間移動能力者である『同伴移動』。
そして、おそらくは視覚操作や偏光操作に類するだろうまだ見ぬ能力者。
番外個体は周囲にぐるりと視線を巡らせるが、そこに敵の影も形も見えはしない。

干渉装置のせいで電磁波レーダーは自分のごく近くしか働かず、かと言って応援を呼ぶ隙もない。
銃弾に抉られた左腕の銃創はじくじくと熱を持って痛覚を侵し、溢れだす血液は止まる気配もない。
敵がどこにいるかも分からぬ以上、物陰が果たして盾として機能するかもわからない。


孤立無援の状況の中、番外個体はその短い人生において2度目の正念場を迎えた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/744.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice