過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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832: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:52:37.46 ID:FWHujRcko

地下10階・23番大試験場。

 広大な試験場の内部は、まるで煉獄のように燃え盛っていた。
その中ほどに佇んでいたのは『業火焔弾』ただ1人。
以下略



833: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:53:11.22 ID:FWHujRcko

 はぁ、という依頼主の溜息が、いやに大きく聞こえた。

『……任務を完遂したら、施設の損壊については不問にしてあげる。
 損壊と言えば、あなたもよ。いくら耐火構造であると言っても、加減はして欲しいものね。
以下略



834: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:54:04.23 ID:FWHujRcko

 狭い空間に、2人分の荒い吐息がこだまする。
試験場の壁面、高さにして3階建てのビルに相当する高さに埋め込まれた実験の観察室に、美琴と白井は逃げ込んでいた。

美琴の体が白井に触れていたことが幸いとなった。
以下略



835: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:54:38.12 ID:FWHujRcko

「それで」

 息を整えるまでの休憩はこれまで、と美琴は表情を変える。

以下略



836: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:55:08.96 ID:FWHujRcko

 ほら、と渡されたPDAの画面に表示された地図には、現在2人と敵がいる試験場が映し出されていた。
この観察室から降りるための階段は試験場内部にある。ノコノコ降りて行けば一発で見つかってしまう。
また、この観察室から試験場の2つある出口まではそれぞれ約100m。白井の空間移動1回で飛べる範囲を越えた距離だ。
出口へと転移するためにはどうしても1度どこかを中継する必要があるが、そんなことをすればどちらの出口へ逃げたかは一目瞭然だ。
以下略



837: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:55:43.40 ID:FWHujRcko

階層不明・小実験場。

 廃材を掻き分けるようにして逃げる『同伴移動』。
その後を、廃材の上を跳ぶよう追いかけ回す番外個体。
以下略



838: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:56:31.92 ID:FWHujRcko

 互いに物陰へ隠れ、しばしの睨み合い。

「……さて、どうするかね」

以下略



839: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:57:13.86 ID:FWHujRcko

 彼女の小さな1つ上の姉は、例えこの作戦で一方通行が死のうとも、おそらくそのことで番外個体や他の誰かを責めたりはしない。
ただ小さな唇をきゅっと真一文字に結び、涙を浮かべてうつむくだけだろう。
それが容易に想像できるからこそ、番外個体の胸の中で何かもやもやしたものが膨れ上がる。

以下略



840: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 03:57:49.41 ID:FWHujRcko

 物陰に隠れていた『同伴移動』は、追跡者が動く気配が無くなったことに違和感を感じていた。

(……根競べ、と言うところかしら?)

以下略



841: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 04:03:31.18 ID:FWHujRcko

 耳障りな音を立てて、床にぶつかった機材が損壊しながら元あった空間を埋め尽くして行く。
その周囲を『同伴移動』がどこに逃げ込んだかを把握するべく番外個体は注意深く観察する。

もし美琴ほどの出力があったなら、この空間に存在する機材全てを持ち上げることも可能だったかもしれない。
以下略



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