過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/02/21(火) 04:07:01.93 ID:FWHujRcko
「なっ……!?」
その光景を見て、『業火焔弾』は驚愕する。
大規模な実験などを行い内部が損壊することが予想される施設では、内装をブロック状の構造にして交換を可能にすることで整備性を向上させていることがある。
この施設では一辺数メートルのブロックを組み合わせて床や壁を構築しているが、その重さはどんなに少なく見積もっても数トンでは済まないだろう。
今、美琴が宙に浮かせているブロックの数は10や20ではきかない。
それでいてなお、美琴は大規模な能力を使うことの負担すら感じさせずに平然と立っている。
「全く、力の出し惜しみなんてするもんじゃないわね。
最初から全力で行っとけばよかった。時間の無駄だわ」
「……さっきまでは本気じゃなかったってわけかい?」
「そう。私たちの目的はもっと別のところにあるの。
あんたみたいな"前座"に使う体力なんかない」
いかにも鬱陶しそうな表情で手で虫を追い払うかのようなジェスチャーをする美琴に、思わず怒気を見せる『業火焔弾』だが、
「けど、さっさと倒しておかないと面倒臭そうだしね。
初めに言っておくけど、これくらいの質量の物だったら音速の数倍でぶっ飛ばすくらいわけはない。
それでも、私と能力のぶつけあいをしてみる?」
ゆらり、と美琴の左右に浮かぶ構造材ブロックが示威するかのように揺れる。
その威容を見て、『業火焔弾』の心が少しだけ怯む。
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