過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/02/21(火) 04:07:39.81 ID:FWHujRcko
先刻、美琴の砂鉄操作をものともしなかったのは、それが『砂鉄だったから』という点に依るものが大きい。
磁力によって操作されている砂鉄の粒子は互いに触れ合っているわけではないために、粒子1つ1つの持つ熱容量は小さい。
したがって、『業火焔弾』の火球のように高熱を受ければ瞬時に液状化してしまう。
しかし、構造材ブロックのような巨大な物体になると話は変わってくる。
単純に考えた時、物体の温度を上昇させるのに必要なエネルギーは物質の体積に比例する。
一辺数メートルの立方体である構造材ブロックを融点にまで持っていくには、どれほどの熱量が必要となるだろうか。
時間をかければ、ブロックを破壊するのに十分な熱量を与えられるかもしれない。
だが、美琴は「音速の数倍で飛ばせる」と宣言をしている。そしてブロックは1つではない。
正面きって能力をぶつけあうには、勝算が余りにも小さすぎる。
能力を「使う」と宣言するだけで百戦錬磨の暗部構成員をここまで動揺させる、230万の学生たちが夢見て今だ到達し得ぬレベル5の地平に立つ少女。
レベル4の自分と彼女の間には大きな差があるのだろう。
だが、敵わないとは思わない。
能力の差を埋めるだけの経験値は積んできているはずだ。
敵の能力が強大だから何だ。勝算がないから何だ。
泥の中をのたうつような生の中で、そんな窮地から幾度も生き延びてきた。
時には他の暗部組織に属する強力な能力者や陰険な策略家との戦いからだって生き残ったじゃないか。
肝が座れば、逆に心は昂揚を始める。
ただ施設や物体を燃やすのとは違い、何かが心に熱く湧き上がる。
身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ。死地を楽しみ、自らの力にできるという点では『油性兵装』を笑えないのかもしれない。
『業火焔弾』が両手に赤く光を煌めかせたのを見て、美琴はため息をつく。
(下がってはくれないか。そりゃさっきまでは優勢で攻めてたもんね)
元々ここまでは織り込み済み。すんなりこの程度で引き下がる方が拍子抜けだ。
眼光鋭く『業火焔弾』を睨みつけ、彼女もまた臨戦態勢をとった。
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