過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/02/21(火) 04:08:17.77 ID:FWHujRcko
そんな2人の様子を、白井は試験場の中ほどの高さ、壁際に設置されたキャットウォークから見ていた。
足元や柵が網状になっていて戦闘の様子を観察しやすく、それでいて気配を消してさえいれば容易には見つからない。
(……煙たいのが難点ではありますが)
敵は発火能力者ということもあり、事前に消火設備を停止させていたらしい。
天井に設置された換気設備は唸りを上げて煙や熱気を含んだ空気を盛んに排出し新鮮な空気と交換してはいるが、スプリンクラーが作動する気配はない。
換気能力は高く、天井から離れたこの場所にいても息苦しくないのは驚きだが、それでも完全とまでは行かない。
濡らしたハンカチで口元を抑え、柵の隙間からそっと戦う2人の様子を伺う。
白井が美琴に加勢せず、こうして息を殺しているのには理由がある。
1つは全力での戦闘に白井が巻き込まれるのを美琴が恐れたこと。
もう1つは美琴に頼まれた依頼を、最高のタイミングで完遂すること。
そのための布石は、彼女の手の中で出番を今か今かと待ちわびている。
瞬時に音速近くまで加速された構造材ブロックが爆音を上げて壁面へと激突し大きくひしゃげさせる。
直前に自身の右方で発生させた爆風に乗って左へと跳んだ『業火焔弾』が、空いた左手の中に発生させた火球を美琴へと放つ。
ブロックを盾に防御した美琴は、磁力の糸を手繰って宙に浮く別のブロックへと跳びつき、引っこ抜いたボルトやナットなどの金具を弾き飛ばした。
『業火焔弾』もまたブロックを盾にし、その表面に弾かれた金具類が甲高い金属質の音を立てて転がっていく。
「そっちだけが盾に出来るわけじゃないんだよ!」
「そう? それは悪手だと思うけど」
美琴の言葉とともに、『業火焔弾』が盾にしていたブロックが床とこすれる耳障りな音を立てつつ激しく回転し始める。
それに吹き飛ばされ、なんとか受け身を取ったところに向けて別のブロックが滑るように迫りくる。
「落ちゲーやブロックゲーじゃねーんだっつーの!」
叫びながら『業火焔弾』が懐から取り出したのは例のテルミットが詰まったパッケージ。
迫るブロックの内部空間目がけてそれを投げ込み、横っとびに回避する。
構造材ブロックは配線を通す都合上六面体のうち側面となる四面に穴が開き、内部に小さくない空間を持つ構造となっている。
それを支える四隅の支柱は当然頑強に作られてはいるが、軍事目的においてそもそもテルミットとはそういう柱などを焼き切る目的でも使われるものだ。
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