過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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848: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/02/21(火) 04:09:53.54 ID:FWHujRcko

 一転、窮地に追い込まれたのは『業火焔弾』のほうだ。
砂鉄自体は火球や炎壁などで高熱を与えれば容易に無力化できる。
だが、そんなことをすればテルミット火薬に引火するのは自明だ。

すんでのところでブロックの影へと飛び込み、寸前まで彼女がいた場所を砂鉄の渦が抉った。
距離を取って火花を走らせ火薬混じりの砂鉄を処理しながら、『業火焔弾』は考える。

(能力の操作範囲では明らかに差があるとみて、遠距離からの攻撃に切り替えてきやがった!
 構造材ブロック自体は火薬を使って破壊できる、けど壊しても壊しても切りがなさそうだし)

 美琴が操作する構造材ブロックはその辺りから適当に引き抜いたものだ。その気になればいくらでも補充ができる。
対して彼女が持つテルミット火薬のパッケージの数には限りがある。いつまでも無尽蔵に爆破して回るというわけにもいかない。

彼我の相性と自らの火力上、火球を相手にぶつけられさえすれば倒せるのだ。
あとは、どうやって標的を捕捉するか。

そこまで考えた時、ふと彼女の頭上が暗くなる。
ふと目を上げると、そこにはゆらゆらと揺れるキャットウォークが浮かんでいた。
当然、壁からは無理やり引き剥がされていれ、ひん曲がった鉄棒や金具などがぶら下がっている。
見ている間にも、各鉄材を連結させているボルトが引き抜かれ、ナットがひとりでに回って外れ分解していく。

この試験場にはキャットウォークが数本あった。
だからその存在自体は不思議ではない。
異常なのは、数多のブロックに加えてそんなものまで引き抜いて武器にしまう、レベル5の圧倒的な性能。

「……おいおいマジかよふざけんなって!」

目を剥く彼女の叫びをかき消すように、けたたましい音を立ててキャットウォークを構成していた部品が彼女目がけて一斉に投下された。


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