過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/02/21(火) 04:12:17.99 ID:FWHujRcko
ガン! と重い物が何かにめり込むような音がした。
自分の頭蓋骨が立てた音だと気付く間もなく、『業火焔弾』はぐらりと体勢を崩し、そのまま意識は暗転する。
彼女が崩れ落ちるのに伴い、極限にまで膨らんでいた火球も勢いを弱め、やがては完全に消滅した。
彼女の傍らに落ちているのは、コインを半分ほど詰め込んだ小さなペットボトル。
白井が彼女の真横へと転移させ、美琴が磁力操作で思い切りこめかみにぶつけたのだ。
浮遊するブロックの上、美琴の横に転移した白井が、恐る恐るといった様子で下を覗き込む。
「……彼女、死んではいないにしても、後遺症などは大丈夫でしょうか……?」
「うーん、どうだろ。相園美央とか『原子崩し』と戦った時の経験から、意識を失う程度にはしたつもりだけど」
そっと近くまで降下し、爪先で突いてみるが、『業火焔弾』はぴくりともしない。
一応脈や呼吸も確認するがそこまで異常ということはなく、単に気絶しただけだろうと判断する。
「……このまま放置しておいたら、彼女のお仲間が救護してくれるでしょうか」
「うーん、こいつらがどんな組織か分からないからなぁ。
仲間を回収することを優先するような義理堅い奴らならともかく、ビジネスライクな傭兵みたいな連中なら放置するかもしれないし。
見つけやすい所に拘束しておいておきましょ」
白井の持っていた風紀委員仕様の手錠を『業火焔弾』の手に嵌め、後ろ手に拘束する。
構造材ブロックの中から引き抜いた各種配線から使えそうなものを選んで、その上からぐるぐる巻きにした。
「……はー、これで良しっと。こいつ1人のためにかなり体力を使ったわー。
出し惜しみはするべきじゃない、とは言え使いすぎるのも考えものね」
「今になって思えば、最初からペットボトルをぶつけてしまえばよかったのではないかと」
「それも手かなと思ったんだけど、相手が周囲を見回して警戒してる状況でペットボトルだけ転移させてもぶつけるのはきっと無理。
せいぜいかわされて燃やされるのがオチね。だから、あえて相手の意識を私に引きつけた方が得策かなぁと。
……まあ、何にせよ障害物突破ということで」
本来の目的は達成されていないが、とりあえず当面の障害は片付いた。
ぱちん、と高らかにハイタッチの音を響かせて、先へ進むべく入ってきたのとは別の出入り口へと進む。
遥か上方の、『業火焔弾』が飛び出てきた天井裏へと続く穴。
そこから2人の背中を監視するいくつもの視線があることにはまったく気付かずに。
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