過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/04/04(水) 02:57:08.80 ID:KuXo2uTOo
空を切る音、一瞬遅れて瓦礫を踏む音。
それは3人の背後から聞こえた。
続けて聞こえてきた金属が触れ合う音は、拳銃の安全装置を解除した音か。
しかしその引き金が引かれるより早く、番外個体の繊手が閃いた。
「……ぐぁっ!?」
苦悶の悲鳴とともに、何もないはずの虚空から血飛沫が噴き出し、拳銃がからからと音を立て廃材の上を転がっていく。
番外個体が目配せをするよりも早く結標が軍用ライトを振る。
血飛沫が噴き出た空間に出現した絹旗は、既にその拳を思い切り振りかぶっていた。
「ごぶふぅっ!?」
拳は腹にでもめり込んだのだろう。
肺から空気を吐き出させられる音と共に、姿の見えない能力者はもんどりうって吹き飛んだ。
絹旗はその後を追って跳び、どことも知れぬ部位を踏みつけて動きを封じた。
「隠蔽迷彩(ナチュラルカラー)ァっ!?」
姿を隠していた能力者のものらしき名を叫ぶ『同伴移動』。そちらと離れたためか、その姿はもはや隠れてはいない。
「──やぁーっぱり、仲間がいないと能力は使えないのかにゃーん?」
その言葉に『同伴移動』はびくりと背を震わせ、ぎこちなく番外個体の方を向いた。
その顔に浮かんでいたのは笑顔。ただし友好的なものではなく、加虐の喜びに満ちたサディストのものだ。
自分の物に加え誰かの座標データが無ければ能力を使って空間転移することはできない。
仲間である『隠蔽迷彩』は敵に捕縛され、抵抗を試みてはいるが敵の力に為す術がないようだ。
「……能力なんて使わなくても!」
「物騒なもの向けないでよね」
番外個体に向けたはずの拳銃が、そしてすとらっぷで肩に提げていたランチャーが彼女の手の中から溶けるように消える。
見れば、番外個体の背後で結標が2つの火器を見せびらかすように持っていた。
能力は使えない。
武器は奪われた。
番外個体はパキパキと指の骨を鳴らしながら、愕然としたような彼女の表情をそれはそれは楽しそうに眺めて言った。
「さあて、楽しい楽しいオシオキの時間だ」
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