過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/04/04(水) 03:08:14.37 ID:KuXo2uTOo
発狂しなかったのが奇跡だと思った。
それほどまでの衝撃が彼を襲った。
目の前にいる少女は。
実験に生き残った個体ではなく。
番外個体のように新たに作られた個体でもなく。
「……俺が、殺し損ねた、個体……だと」
「かつてのあなたの戦い方は、一言で言ってしまえば『とても大雑把』。
派手な能力の使い方を好み、同時に複数の個体を投入した実験ではターゲットの生死を確認することなく次の標的へと襲いかかる。
それならば、九死に一生を得た個体がいたとしてもおかしくはないでしょう?」
それがどんな状態だったとしても、と『リプロデュース』は付け加えた。
「あなたに引き裂かれ、引き千切られて肉塊となった"ミサカ"たちは、たとえ生きていたとしても死亡した姉妹たちとともに焼却炉へと投げ込まれるはずでした。
しかし、まだ息がある"ミサカたち"を見て、1人の研究者はこう言いました」
『──新鮮な"部品"はいくらでもあるんだ。それを使ってこいつらを"仕立て直す"こともできるんじゃないか?』
クローンであるため遺伝的に同質体である『妹達』は、相互に臓器などを移植しあったとしても拒否反応を起こすことはない。
理屈の上では、損傷した臓器を他の個体の死体から移植することは難しいことではない。
壊れた個体を治療するよりも、新しく個体を再生産したほうがコストの面から言ってもいいのではないか。
そんな意見に対して、その研究者は『培養カプセルの医療的使用法の模索』を提唱した。
『妹達』の育成に使われる培養カプセルは1日で1年分の細胞分裂を被験者へと強いる。
例えば、大怪我をした人間をそのカプセルに放り込むのだ。
損傷により細胞組織が崩壊し生命活動を維持できなくなるよりも早く細胞分裂によって治療を施したとしたら、その患者はどうなるだろう?
損傷がより促進され、死を劇的に早めるだけかもしれない。しかし、もしかしたらその患者を死から救うことができるかもしれない。
実験台は今目の前におり、機材だって揃っている。
ならば、試さない手はない。
「そして、"ミサカたち"は他の個体から採取された臓器や組織を使って"修復"され、再び培養カプセルへと入れられました」
結果は大成功。翌日には何事もなく歩けるようにまで回復していた。
代償として、設定された年齢を1つ重ねてしまいはしたが。
リプロデュース。再生産された個体。
彼女たちはリナンバリングされ、、新たな生を迎えることとなった。
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