過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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943: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/04/04(水) 03:06:35.68 ID:KuXo2uTOo

「何……?」

「ふむ。どうやら、"ミサカたち"のメッセージは軽視されたようですね。
 "本来の目的のついで"であったとはいえ、少しだけ傷つきました」

 形のいい眉を顰め、不満げな表情を作る『ミサカ』。

「木山博士を撃ったのは、この"ミサカたち"です」

「なッ!?」

 数日前、木山春生という研究者が自分の研究室で撃たれ重傷を負った、ということは番外個体から聞いている。
また、その犯人が『リプロデュース』と名乗る『妹達』であることも。

木山の銃創は大血管や内臓を意図的に避けたものであった、と冥土帰しのカルテにあった。
わざわざ殺害ではなくそんな回りくどい方法を取ったのには意味があったはずだ。

その意味について『グループ』は「御坂美琴に向けての示威行為」と結論付けていた。
彼らがどうこうするものじゃない。それよりもさっさと『第三次製造計画』の終結を。
そう考え、その後に入手した情報を処理する過程で、いつしか記憶の底へと埋もれていた。

「……『リプロデュース」ってやつか」

「その通りです。『プレサードシーズン・リプロデュース』。
 それがこの"ミサカたち"に与えられた新たな開発コード」

 『第三次製造計画』の前段階における先行試作体。
彼女たちを生みだす礎となったミサカたち。

「この"ミサカたち"に与えられた検体番号は26428号」

 『Reproduce』。再生を意味するその単語が表しているものは何か。
知ってはいけない何かがそこに込められている気がして、一方通行の体は知らず震える。

「しかし、元々『このミサカ』に与えられていた検体番号は6428号」

 そして、それは白日のもとにさらされる。
10031号以前のナンバー。死んだはずの個体のナンバー。彼が手にかけたはずのナンバー。
ただでさえ白い一方通行の顔がさらに青ざめて行くのを見て、『ミサカたち』の唇が弦月状に歪む。



     「簡単に言ってしまえば、あなたに殺され損なった"ミサカたち"です」


 


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