過去ログ - インデックス「――――あなたのために、生きて死ぬ」
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946:天使編B[saga]
2011/09/16(金) 21:41:12.44 ID:SQi/WzOn0


「よくお涙頂戴の三文劇で言うじゃねえか、『心の中で生き続ける』とかなンとかよ。
 強ち馬鹿にもできねェと思うぜ? お前の背中を見なきゃ、
 俺にはその『女ども』を知る機会すらなかったンだからよ。
 だから、そうだな。でけェ鏡の前に立って、自分の肩の辺りに呼び掛けて、
 みっともなく謝っちまえ。それで少しは、気がラクになるかもな」


理は、まるでない。

だが言わんとするところを一切理解できないわけでもない。

これはステイルの心の、内側の問題なのだから。


「…………そりゃ、そうか。悪い」


しかしステイルは、俯いて首を振った。

一方通行のいやに親身な態度が底気味悪いと誰かが囁いてきたが、それどころではなかった。

口腔の内で、堤防が決壊しかかっている。

一度堰が切られればもう後には戻れない。


「こんな洒落の利かねェレトリックでどうにかなるほど
 ラクな問題じゃあねえよな。あーあー、どうするかねェ」


そしてやはり、一方通行の軽い口調が蟻の一穴となって、その堰は崩壊した。


「どうにかしようがあってたまるか、という心持ちだよ。
 ああいや、だったら相談なんてするな、という非難は御尤もだ。
 だがね、君なら少しはわかってくれるだろう?」




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