過去ログ - インデックス「――――あなたのために、生きて死ぬ」
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天使編B
[saga]
2011/09/16(金) 21:42:32.48 ID:SQi/WzOn0
要するに、ステイルは恐ろしかったのだ。
一方通行の返答を待たずに、整理されていない感情が次々と溢れ出る。
「これは理屈じゃないんだ。本能なんだよ。
僕の魂に刻みついた『あの子たち』の死に際が、
彼女を抱きしめようとする度にこの腕を震わせて、思い留まらせる」
自分の懊悩は、上条当麻にも、浜面仕上にも、そしてインデックスにも解放できなかった。
これでもし、自分とよく似たこの男にも無理だったら。
取り返しのつかないことを取り戻そうともがく、目の前の罪人の手にすらあまったら。
ステイル=マグヌスは一生、この懊悩を抱えて歩まなければならない。
根拠のない確信に足が動かなくなって、あと一歩のところで踏み止まってしまった。
しかしもう止まれない。
ステイルは溢れ出た感情という名の濁流に足下を掬われ、
望む望まざるにかかわらず流されていくのみの流木と化した。
「一方で、理屈に頼ってる自分もいる」
――禁書目録があるから――
――最大主教になったのだから――
「そんな言い訳を殊更並べ立てなければ」
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