過去ログ - インデックス「――――あなたのために、生きて死ぬ」
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984:天使編D[saga]
2011/09/18(日) 22:46:40.10 ID:wAKGpq7A0


次の瞬間、その姿が大気に滲んで溶けた。

気温の局地的な変化による光の異常屈折、いわゆる蜃気楼。

同時に、ステイルが先ほどから移動に使用しているものより、やや大きな爆発音。

もうと立ち込める白煙が一方通行の視界を著しく奪った。


「…………『氷』で冷やした空気を急激に温めれば、そりゃ霧になるわな」


『氷』のルーンは確か十一番目だったか。

一方通行は瞬時に眼前の事象を把握し、上方に向かって身構えた。


「手品ならもう少し上手くやンな」


ステイルの長身が消える直前と全く同質の大気の揺らぎを、

通常物理法則を支配するこの男が察知できない筈はない。

目晦ましにステイルが降らせた霧雨の外側、角度85.2、

距離14.6メートルの座標に蜃気楼が発生している。


「――――あ――――あっ!!」


正にその位置から雄叫び。

何故かノイズが混じったかのように途切れ途切れで聞き取りにくいが、

最後の特攻をかけるべくステイルが急降下爆撃してきたとしか考えられない。


「ったく、熱くなりやがって。マジで二、三週間入院生活になンぞアホが!」


腕と足を血液逆流させた男のものとは思えぬ台詞を吐きながら、

一方通行は両膝に力を籠めてステイルを迎え撃つべく跳躍する。




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