179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:30:47.85 ID:scvwc1Q4o
それからしばらくして春になった。
私は大学受験に合格して、4月からは唯先輩と同じ大学に進学が決まってた。
そんなある日、一通の手紙が届いた。
〜〜〜〜
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:33:23.01 ID:scvwc1Q4o
何があったんだろう……私、何か先輩の気に障ることしちゃったのかな……いや、それで大学を辞めちゃうなんて考えられない。
何かは分からないけど、今の唯先輩は他の誰にも話せない深い悩みを抱えてるんだ。
居てもたってもいられなくなった私は、上京する前日、こっちに戻ってきている唯先輩に会いに行った。
梓『唯先輩、すいません突然押しかけて』
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:35:13.44 ID:scvwc1Q4o
唯先輩と別れてから数ヶ月が過ぎた。
東京での暮らしも、大学にも慣れたものの、心の中にはもやもやした物が残ってた。
やっぱり唯先輩のことが忘れられない。
いや、忘れるなんてできない。
たまらなく会いたい。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:36:52.86 ID:scvwc1Q4o
モブ『おっ、キミこの大学の生徒さん?』
梓『ええ』
梓(うわっ、何か面倒そうな人がきた……)
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:39:20.53 ID:scvwc1Q4o
私は傘もささずに唯先輩を追いかけようと雨の中駆け出した。
丁度夕方で、通りは学校や仕事帰りの人でいつも以上に溢れかえっていたせいもあって先輩の姿を見失ってしまう。
梓(唯先輩……どこ!?どこに行ったの!?)
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:41:30.97 ID:scvwc1Q4o
――
気が付くと、私は全ての記憶を失って森の中に1人佇んでいた。
そして目の前には少し歳をとったあなたと憂がいた。
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:45:55.40 ID:scvwc1Q4o
でも私は知ってしまった。
本当の私は、1年前に死んでしまっていることを……
私は死んでしまう、23歳で。
愛する唯先輩や大好きな人たちを残して……
1年後の、雨の季節に戻ってくると約束して私は死んでしまうんだ……
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:47:07.76 ID:scvwc1Q4o
――
唯先輩
もしこのままあなたと出会わなければ、私は違う誰かと結ばれて違う人生を送るんでしょうか。
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:48:14.15 ID:scvwc1Q4o
―― 公衆電話
梓『もしもし唯先輩ですか?梓ですけど、ちょっと先輩に大事な用がありまして』
唯『私に?』
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:49:05.92 ID:scvwc1Q4o
たとえ短くても、愛するあなたたちと一緒にいる未来を、私は選びたい。
待っていてください唯先輩……
いま、会いにいきます――
189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/04(月) 00:50:14.49 ID:scvwc1Q4o
―― ヒマワリ畑
唯先輩との待ち合わせの場所に選んだのは近所のヒマワリ畑だった。
梅雨明け直後の抜けるような青空の下、ヒマワリが満開の花を咲かせ、一面に黄色い絨毯を拡げているようにも見えた。
そんな黄色い絨毯の真ん中で、あの人は私を待っていた。
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